2018年9月深夜。
北海道を最大震度7という経験したことのない大地震が襲いました。
追い打ちをかける全道ブラックアウト。
全ての電気が止まりました。
もちろん、電化製品は何も使えません。
水が出なくなるマンションも多数出ました。
ちなみにうちのマンションも水が出なくなりました。
エレベーターも止まっています。
お腹が空いてもご飯を炊くための炊飯器は使えません。
どこにも開いているお店はありません。
そんな中SNSで神対応と絶賛されたコンビニエンスストアがあったのです。
それがセイコーマートです!
セイコーマートの神対応とは?
セイコーマートとは北海道を拠点とする地場のコンビニエンスストアです。
その店舗数1200店あまり。
道内に限って言えばセブンイレブンをも上回ります。
今回の地震時にも、いち早く営業を始めたセイコーマート。
セイコーマートでは他のコンビニ同様、食品工場などから弁当や総菜類を配送してきます。
ただ、停電の影響で何もかもがストップしています。
停電の中、何を売ったのでしょうか?
セイコーマートのホットシェフはガスを使えた
セイコーマートにはホットシェフと呼ばれる店内調理商品があります。
電気は使えませんが、幸いなことに調理用の米はあります。
炊くためのガス釜には電気を使いません。
そんなわけでお店では米を炊いて、普段は作っていない塩むすびを作りました。
ひとつひとつラップで包まれたおにぎりは出来立てで温かい。
先の見えない不安の中、このおにぎりを買えた人はどんなに心強かったことでしょう。
しかも、この判断はセイコーマート本部からの指示で行ったことではなく、現場の判断なのです。
それってすごくないですか?
自身も被災して、何らかの被害を受けた方がほとんどです。
それなのに自分の働くお店に行き、困っているお客さんたちのために何かできないか?と考えた上で、おにぎりを作ることにした。
なかなかできることではないと思います。
以下は当時のツイッター上での声です。
「停電の中、大半の店舗が営業し、通常は販売していない『塩にぎり』も現場判断で作って売った」 停電時自分も恩恵をうけた。
ホットシェフがあるのは大きい。
普段作っていないものを現場判断で作り売れた、のも大きい。
現場にある程度の裁量権がないとできない。それができる仕組みだった、ということか?
いづれにせよ、「セコマ神対応」の功労者はそういう判断でき、働いた労働者たち。
セコマ本部はしっかり報いてほしい。
「セコマ神対応」現場の決断 地震後にガス炊飯、おにぎり作り続ける
一方、フランチャイズからお金を取ることを最優先に考える大手
道民にセコマが根付いたのはこの差だよ
地震後、水が濁り始めたので近所のセコマへ。
暗闇とアルコール臭の中、停電でもハンディPOSで会計。
やっぱり頼りになるわ、セコマ。
セコマ神対応が話題ですね。 辛いときにご飯が食べられる幸せは計り知れません。
私は震災の時、道の駅でようやく買えたおにぎりを未だに思い出します。
セコマさんも皆さんも、どうか事態が落ち着いて復旧しますように…
調べたら、どこのセコマも神対応すぎて泣けてくる。
やはり地震時の対応には称賛の声が多いですね。
電気が止まってしまったため、溶けてしまって売り物にならなくなるアイスなどを無料で配ったお店もあるようです。
ゴミ箱を買いにせコマに行ったら、アイスが溶けたから、売り物にならず、1人5個まで無料だから持って行って下さい!と言われ、おにぎりは、手づくりのラベルが貼ってあった! ありがとう
こういうちょっとした心遣いも嬉しいですよね。
何しろ大地震とブラックアウトで皆が不安な時のことですからね。
セイコーマートの非常用電源とは?
もうひとつセイコーマートの営業を支えたものがあります。
それは非常用電源です!
停電時に車のバッテリーから電源供給ができるシステムです。
ガソリン車につないで車を空運転させると発電できる仕組みのようですね。
普通の車ならガソリン満タンで1日以上発電し続けることができるとのことです。
これは助かりますよね。
この非常用電源をセイコーマートのお店では標準装備していました。
つまり全店に入っているということですね。
このおかげで最低限の電気を確保することはできます。
店内のレジは使えませんが、発注するときに使うハンディーターミナルで会計の計算ができたのです。
セイコーマートの損害は大きかった
そんな神対応で話題になったセイコーマートですが、電気が止まったことは経営的には大打撃となりました。
上記にもあるようにアイスクリームや冷凍食品は溶けてしまい、もはや商品価値はゼロになってしまいました。
製造途中の牛乳も停電のせいで廃棄したそうです。
セイコーマートの牛乳美味しいんですよね。
もったいない。
仕方ないけれど、もったいない。
地震の震源地に近かったお店では店内のワインなどの商品が破損して、やはり売り物にはならなくなりました。
よくニュースで流れたりしますが、ワインや日本酒などのビン類は割れてしまったら、その片付けでだけでも大変です。
店内液体だらけになりますよね。
割れたガラスで怪我をすることもありますしね。
こういったハード面の損害や工場が稼働できなかったため、損害額は数億円以上になるとのこと。
やはり大変大きな天災でした。
ペットにも人にも優しい除菌・消臭剤セイコーマートの強みを出すことができた
セイコーマートはコンビニエンスストア店舗の他に、いろいろなグループ会社を持っています。
お店に品物を運ぶ物流会社もグループ会社の一つです。
しかし、トラックはあっても当時燃料を求める人々でガソリンスタンドが長蛇の列になったように燃料がなければ車も動かないのです。
これでは商品を運べない。
ならば、どうすればいいのか?
釧路にある物流センターには大災害を想定して自家発電設備と給油施設がありました。
給油施設には最大3週間程度の燃料を備蓄できるそうです。
その中の4割程度の燃料を札幌に移して物流のトラックを動かすことができたのです。
また、セイコーマートは北関東にもお店があります。
茨城県の物流センターにメーカーからの飲料や食料を集め、フェリーで苫小牧に送ったそうです。
ノースキャットも震災翌日近くのセイコーマートが開いている様子だったので、お店に行ってパンを買ってきました。
おひとり様いくつまでという制限はありましたがちゃんと買えましたよ。
お客はたくさんいましたが、ハンディーターミナルで会計を行っているせいか、そんなに待たされたという感じはしませんでした。
それよりも買えた嬉しさの方がずっと勝りました。
普通にコンビニエンスストアが開いている。
商品が買える。
それって本当に幸せなことなんだと実感しました。